ウイスキーの魅力のひとつ、豊かな香り。樽の中で長い時間をかけて育まれる香りは、スモーキーでウッディな深みやバニラのような甘さなど、複雑で奥行きのある表情を持っています。
「お酒は飲めないけれど、ウイスキーの香りは好き」という声も少なくありません。そんな方におすすめしたいのが、コーヒーや紅茶にウイスキーの香りをつけたもの。ノンアルコールで「ウイスキー香」を楽しめる飲み物です。
どうやって飲み物にウイスキーの香りを移すの?
ウイスキーの香りを他の飲み物に付ける方法はいくつかあります。いずれも香りを付けるだけなので、アルコールが入っているわけではありません。お酒を飲めない人でも、アルコールフリーで楽しむことができます。
ウイスキー樽の中で寝かせるバレルエイジング
ウイスキーを熟成させていた樽にコーヒー豆や茶葉を入れ、一定期間寝かせることでウイスキーの残り香や木の香りを移す方法です。「バレルエイジング(樽熟成)」と呼ばれ、時間とともに風味が深まるのが特徴です。
ウイスキーは一般に数年~十数年、場合によっては数十年も樽の中で熟成されます。その間に樽に染みたアルコール分や香気、風味が樽に残っているのです。
燻製チップ・ウッドチップを使った香り付け
ウイスキーの樽によく使われるオークやヒッコリーなどのウッドチップを使ってコーヒー豆や茶葉を燻すことで、ウイスキーのようなウッディな香りを付けることができます。ウイスキー樽を細かく刻んだウッドチップを使用して燻製にし、よりウイスキーらしいスモーキーな香りを付けることもあります。
天然香料やフレーバーエッセンス
バニラやキャラメル、オーク由来の香料を組み合わせることで、ウイスキーらしい香りを再現するものです。炭酸飲料やフレーバーウォーターではこの手法が多く見られます。
こんなにある、ウイスキー香を楽しめる飲み物
ウイスキーの香りを香りを付けた飲み物にはさまざまな種類があります。ここでは代表的なものをいくつかご紹介します。
コーヒー
焙煎前の生豆をウイスキー樽で熟成させます。焙煎すると樽香がほどよく豆に残り、チョコレートやバニラを思わせる甘い香りやスモーキーさが感じられ、ウイスキーの香りのするコーヒーになります。樽で熟成させたコーヒーは「バレルエイジドコーヒー」と呼ばれることもあります。

紅茶
茶葉を樽で寝かせることで、ふわりと広がる木の香りやスモーキーさが加わり、ウイスキーの香りのする紅茶になります。ウイスキーの香りと紅茶の香りが合わさり、より深みのある芳醇な香りを楽しむことができます。

クラフトソーダ・スパークリングウォーター
炭酸飲料(クラフトソーダ)やスパークリングウォーターにウイスキーの香りを加えるブランドも登場しています。香料でウイスキー風の香りを風味を再現している「ハイボール風味炭酸飲料」もこの例のひとつです。
その他の例
飲料以外ですが、海外ではメープルシロップにウイスキー樽の香りを移した製品もあります。一部通販では日本からも取り寄せることができるようです。
実際の商品例
実際に日本で購入できる「ウイスキーの香りを楽しめる飲み物」の例をいくつか紹介します。
バレルエイジドコーヒーの例
バレルエイジド(猿田彦珈琲)
DEVIL’s GIFT(アサヒ飲料)
バレル・エイジド~カウダッド~(銀河コーヒー)
ウイスキー樽のチップで燻製・焙煎した紅茶の例
はじまりの《ウイスキー和紅茶》
燻製紅茶(カネロク松本園)
まとめ
お酒が飲めなくても、ウイスキーの香りを楽しむことはできます。「お酒は苦手だけどウイスキーの雰囲気を味わいたい」という人にとって、これらの飲み物は新しい選択肢になるでしょう。
今後さらに商品が増え、コーヒーや紅茶以外のカテゴリーへも広がっていくかもしれません。ウイスキー文化の新しい楽しみ方として、要注目ですね!