アルコールが入っていない、つまりアルコール度数がゼロ%の飲み物を探していると、「0%」という表記と「0.00%」という表記を見かけることがあります。この違いは何でしょうか。
実は、実際には微量のアルコールが含まれる飲料であっても「0%」や「ノンアルコール」と表示できてしまうため、本当の本当にゼロであることを強調するために「0.00%」表記にしているんです。
下記に詳しく解説していきましょう。
アルコール度数1%未満ならば「0%」と表示できてしまう
「0%」とかいてあったらアルコールがまったく入っていないと思ってしまいますよね。だけど、実はそうではないんです。
酒税法の条文にはアルコール度数の表示について
- 1度または0.5度刻みで表示する
- 例えば、アルコール分が15度以上16度未満ならば、「アルコール分15.0度以上15.9度以下」または「アルコール分15度」と表示する
と書いてあります。
この原則に従うならば、アルコール度数が0.9%や0.4%の微アルコールドリンクは、「アルコール度数0%」と表示できてしまうのです。
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酒税法の対象となるのはアルコール度数が1%以上の飲料なので、本来ならば1%未満のものは従う必要はありません。ただし、アルコール度数1%未満の飲料に対する表記ルールが存在しないため、慣例的に酒税法の表記ルールが用いられています。
「0%」と書いてあっても微量のアルコールが入っている可能性アリ
つまり、アルコール度数「0%」と書いてあっても、0.4%や0.9%のアルコールが入っている可能性があるということです。(もちろん本当にゼロの可能性もあります)
実際にノンアルコールドリンクの製法によっては微量のアルコールが残ってしまう場合があります。
お酒が飲める人にとっては大したことないかもしれませんが、お酒に弱い人、アルコールを分解できない人にとっては大問題ですよね。
差別化のために「0.00%」という表記が編み出された
上記の理由から、少しのアルコールも入っていない製品は「本当にアルコールが入っていません!ゼロです!」とアピールする必要が出てきました。「0%」と書くだけでは微量のアルコールが含まれるドリンクと区別がつかないからです。
そこで「0.00%」という表記が編み出されました。「0.00%」なら、0.9%や0.4%のアルコールが入っているということはあり得ませんよね。
本気でゼロに近づけるならば「0.000000000⋯⋯00%」と書かなくてはいけないのでしょうが、それではキリがないので「0.00」までにしているのでしょう。
要は「0%表記とは違って本当にゼロですよ」というアピールなのです。
「0.00%」という表記をしているドリンクの多くは、アルコールが残らない製法で作られているものや、そもそもアルコールが発生しない製法で作られているものなどです。

まとめ:「0%」よりも「0.00%」のほうがよりゼロに近い
酒税法でのアルコール度数表記の原則に従うと、アルコール度数が0.9%や0.4%のドリンクでもアルコール分「0%」と表示できてしまいます。
それとは違って本当にアルコールが入っていないことをアピールするために「0.00%」という表記が使われ始めました。
しかし、これらは飲料メーカーが自主的にやっていることで、公的なルールで決められているわけではありません。「0.00%」表記の飲み物に0.004%のアルコールが含まれて四捨五入されていた、ということも可能性としてはあり得るわけです。
お酒を飲めない者としては「完全にアルコールが入っていないアルコールフリー」の表す表記・表示をルールとして定めてほしいものですね。

